毎日、当たり前のように見ていたこの景色・・・
誠に残念なことですが、明日からはこの景色が見られなくなりました。
平成28年8月11日昼 いつもお参りして下さる若いお二人が、社務所に来てこう言いました。
「鳥居に亀裂が入っているようですが・・」
この姿を見たとき、一瞬心臓が止まるかと思いました。
「中貫」の中央に大きな亀裂が入っています。
毎朝、鳥居を見上げるのは習慣となっていますが・・・今まで全く気が付かなかった!
参拝客に万一のことがないように、規制線が張られました。
すぐに駆け付けてくれた総代さんが、あちらこちらへ電話をいれますが、生憎と11日は今年から制定された祝日「山の日」、しかも、お盆前とあってなかなか連絡が取れません
それでも漸く建築会社の会長さんと連絡が付きました。
そして12日、朝8時半、大きなクレーン車がやって来ました。
日吉大神様に、鳥居を撤去することをご奉告申し上げ、安全を祈願して早速工事に取り掛かりました。
真っ青な大きな空に、クレーン車のアームがどんどんと伸びていきます。
まず、笠木にベルトを回し、釣り上げます。
そして、亀裂の入った貫を撤去します。
南側の柱にも亀裂が入っていることが分かりました。
危険なので、こちらの柱も取り外すこととなりました。
そして、午後には境内にはこんな風景が広がっていました。
この鳥居は大正8年に建立されたもの。
その時からおよそ100年の歳月が流れようとしています。
昭和58年にこの地域を襲った日本海中部地震は、この鳥居にも大きな被害をもたらしました。
その際に、色々と修繕を行ったようですが、100年の歳月には勝てなかったのでしょうか・・・
それにしても、日吉神社のお祭りも、七夕も終わり、そしてお盆前の一日・・・
神様はこれまで我慢して下さったのでしょうか・・・
お休みにもかかわらず、駆け付けて下さった多くの方々に、心からお礼を申し上げます。
そして、事故もなく怪我人もなく、ここまでの工事が無事に終わったことに感謝致します。
地上に置かれると、笠木の大きさに改めてびっくりします。
100年間、風雪にさらされていたにも関わらず、今なお本当に綺麗な姿です。
御影石は、太陽の光を浴びてキラキラと輝いていました。
建築会社の方が口々に言っていました。
「100年前、大型クレーンもなかった時代、どうやってこれを持ち上げたんだろうね」
人間の知恵と力とは、本当にすごいものです。
そして、形のあるものは必ずいつか壊れるのだ・・ということも実感しました。
・・では永遠に壊れないものは何だろう・・・・?
永遠に続くものは・・・・?
考えさせられる一日でした。
今後は、総代さんはじめ神社関係者と、鳥居の再建に向けて協議を重ねて参ります。
皆様にもご協力をお願いすることもあるかと思います。
その時はどうぞ宜しくお願い申し上げます。
それにしても・・・
寂しい・・・心にぽっかりと穴があいたようです・・・